研究グループ
大動物グループ
概要
当グループでは、イヌ、ブタ、ウサギなど、比較的大きな動物を用いて、より臨床に近い条件で研究を行っています。マウス・ラットなどと比べ、ヒトにより近い動物ですので、臨床応用に近づいた実験が可能です。新しいデバイスの開発など、臨床試験の直前、それに即した条件で動物を用いた試験を行うこともこのグループの役割の1つです。
実際の実験では、人工心肺やX線装置、あるいは糸や手術器具など、物品・機材のほとんどは病院で一般的に使われるものと同じものを使用しており、また、実験手技自体も患者様の手術とほとんど同様の手技で進められます。それぞれの実験の立案、計画、準備、施行に至るまでのすべての過程において、臨床的な手技・思考が求められます。臨床経験がある我々であるからこそできる研究といえます。また逆に、研究で得られた知識や技能を臨床に生かすこともできます。
研究内容
- 1.左室形成術あるいは僧帽弁形成術の新たな術式の開発
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当グループ独自の研究として、大動物に人工心肺を用いて、左室形成術や僧帽弁形成術の新たな術式を開発し、大きな成果を上げております。
(図1)Chordal translocation 法による、乳頭筋と僧帽弁輪との力学的連続性を残した、機能的僧帽弁閉鎖不全に対する新しい術式(イヌを用いた実験)。
(図2)心尖部温存による新しい左室形成術(右)(イヌ心不全モデルを用いた実験)。左室線維の連続性がより保たれ、より良い術後心機能が期待できる。
- 2. その他進行中のプロジェクト
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・長時間留置を目的とする血栓捕捉用動脈留置フィルターの開発
・iPS細胞を用いた心筋再生の研究
・先天性心疾患における右心不全に関する研究
・生体由来成分を含まない、新しいタイプの止血剤の開発

